研修・大学院
岩手医科大学腎・高血圧内科で
専門医研修をしませんか
腎臓内科は、腎臓をhubとして常に「全身を診る」臓器横断的な姿勢が重要です。また透析療法や腎移植の発達により臓器寿命を上回る個体寿命が実現しており、病いを治す(癒す)ばかりでなく、「腎死」に陥った患者のその後のQOLを保ちながらwell-beingを実現すべく「全経過を診る」ことも求められます。
私たちは、例えば次のような様々な将来像をお持ちの方のキャリア形成にお役に立てると考えています。
- 腎臓病、体液管理、高血圧領域の専門医療や研究を志す方
- 腎代替療法(透析・腎移植)に関わる専門性や手技を獲得したい方
- 内科医として臓器横断的な総合的な実力を身に付けたい方
- 臓器不全の診療を中心とした集中治療の経験を積みたい方
- 高齢者医療、予防医学などに取り組み、地域住民の健康・幸福の実現に貢献したい方 など
当科での専門医(基本領域(内科)と専門領域(腎臓))取得のプロセス
腎臓領域は基本領域(内科)の研修中にサブスペの研修(連動研修)を行うことが可能です。内科専門研修中に当科の指導医のもとで日本腎臓学会の定める所定のカリキュラムに沿った臨床経験を積むことにより、内科専門医の取得を前提に最短で6年次終了までに腎臓専門医の受験資格の取得が可能です。
詳細については日本腎臓学会HPをご参照ください。
当科では下記の専門医・資格の取得が可能です。
- 日本内科学会 内科専門医/総合内科専門医/指導医
- 日本腎臓学会 腎臓専門医/指導医
- 日本透析医学会 専門医/指導医
- 日本高血圧学会 認定高血圧専門医
- 日本アフェレシス学会 血漿交換療法専門医
- 日本腹膜透析医学会 認定医
当科での専門研修の魅力
症例数
腎生検症例が年間150件ある国内有数のhigh volume centerであり、全例で電顕による診断ができる数少ない施設です。したがって専門的な難治性・進行性腎疾患に対する精度の高い診断に基づく最新の治療が可能です。そのほか慢性腎臓病・透析患者の管理、急性腎障害、二次性・難治性高血圧症、水・電解質異常が主な守備範囲ですが、当科で経験する症例には内科全領域にわたる様々な病態が併存することが多く、内科専門医取得時に必要とされる経験症例を科内のみで集積することが容易です。
腎病理組織診断
報告書を病理医の指導のもと医局員が自ら作成し示説するとともに、治療選択の重要な根拠としています。
手術・手技
腎生検を始め一時的バスキュラーアクセス(VA)の留置、内シャント・腹膜アクセスの造設、経皮的VA拡張術(VAIVT)などinterventional nephrology領域の手術・手技を経験できます。
血液浄化療法
中央部門である血液浄化療法部専従を経験することで、透析導入、入院中の慢性維持透析患者の全身管理および重症患者の急性血液浄化療法への対応を習得できます。
外来診療
3年次から病棟担当患者の外来管理はもちろん、かかりつけ医との連携、コンサルテーション対応(周術期の腎機能障害、水電解質・酸塩基平衡異常、高血圧の精査・管理、全身性疾患に伴う腎障害、透析患者の全身管理など)を経験し、総合力を備えた専門医として自立するために必要なスキルを体得できます。
質の高い高血圧診療
最大のcommon diseaseである高血圧症の病態評価の技術と最新のエビデンスに基づく最善の治療選択を習得できます。
チーム医療
腎代替療法に求められる全人的医療や高齢者医療の経験は、地域医療に求められる医師としての総合力・調整力や多職種とのチーム医療におけるリーダーシップの鍛錬になります。
大学院入学を希望する方を歓迎します
大学院での教育は、臨床医学の幅広い学識とリサーチマインドに富み、腎臓・高血圧性疾患や腎不全の病態解明、発症・進展予防及び高度診療の実践に還元し得る研究を行うことのできる、自立したphysician scientistを養成することが目標です。
臨床医は生涯にわたり、最新の知見に基づく的確な病態把握と診断、エビデンスの適切な解釈と適用、そして患者心理や社会経済的背景に配慮した個別に最善の治療選択を行う能力を求められます。若い時期に研究をする意義は、単に科学的成果の追究ばかりでなく、このような医師としての自己研鑽能力、複雑な課題に対する高度の思考力・判断力と問題解決能力を養うことにあります。医学博士の学位は、診療の経験に加えこのような修練を積んでいることの一つの証です。
当科では社会人大学院制度の活用や研究テーマの選定など、希望に合わせて対応します。卒後何年目でも入学可能です。個別にご相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。